ロールケーキとチョコひねり

食堂の魔法使いに
仕事を頼みにいったら
AYA姫がお茶していた

ふとテーブルを見ると
“冷蔵庫にロールケーキあります”
とメモが…

「私、パンが好きかも」宣言した
パテシエちゃんのメモ書きだった

AYA姫が冷蔵庫から
お皿を出した
ロールケーキが3切れ乗っていた

はっ!

写真を撮るより早く
ロールケーキは
胃の中へ入ってしまった

AYA姫が続いて
お礼に上げちゃおっかな〜
と言いながら
何か冷蔵庫から取り出した

かわいいおひねりを
2つ手にして

そのうちの一つを
なんと
私にもお裾分けどうぞ、と
もらってしまった

うぉ〜

なんというラッキーな日

おひねりを開けると
かわいい葉っぱ型のチョコが
数枚入っていた

パテシエちゃんの席に
お礼に行ったら
机の上に
AYA姫からの
おひねりが置いてあった

みんな
なぜか美味しいものを
お裾分けし合う

なぜだろう…

よくわからないから
たぶん
魔法使いの奇蹟
ということにしておく

選択問題すいもあまいも

今年の梅雨は妖精だ

正しく変換すると

今年の梅雨は陽性だ
なのだが

魔法使いが帰って来た
今朝の食堂は
さながら復活祭

久しぶりのチョコケーキと
朝どり完熟すももと
食べごろ不明のソルダム

さて
何をいただきましょうか…

正確に言うと

何からいただきましょうか、だろう

選択問題ではない
順番問題だ

まずは
初物ソルダム
外は青いが
齧ると柘榴のように赤い
ちょっと
すっぱめだった

ソルダムのあとの
チョコケーキ

ふわっとしっとり
ほろにが甘い
絶妙の口当たりと
味加減だ

この順列組み合わせは
間違いなかった

ただ一つの誤算は

ランチのデザートに
楽しもうと思っていた
真っ赤なすももは

昼休み前に
消えていたことだった

パテシエ誕生

月曜の朝は
絶不調だ

朝礼が終わって
食堂へ
茶を飲みに行ったら

「冷蔵庫に
 プチシュークリームがあります。
 パテシエMより」

という置き紙があった

魔法使いが
旅に出て
つまらなかった食堂に

奇蹟的に誕生した
パテシエMちゃん

彼女は
2週間ほど前にも
梅ジャムゼリーを
作って来てくれていた

その後に
朝礼で素敵なコメントをした

「魔法使いのケーキは
 今日は何だろう?って
 毎日楽しみだった

 それがなくなって
 つまらないなぁと思っていたけど

 梅ジャムゼリーを作ってきたら
 食べた人から
 思わぬ反応がいろいろあって
 とっても嬉しかった

“楽しみは、待つモノではなく自分で創るモノ”

 ってわかりました」

トレビアン♪

置き紙の端っこに
コメントを書いた

お昼にロッカーで
パテシエMちゃんといっしょになった

「コメント、うれしかったです」

彼女は昨日の休みに
シュークリームを作ろうと思い立ったが
失敗しそうな予感もして
迷った

迷ったが
“私は挑戦する人生にしよう”と
きめて作り出したそうだ

トレビアン☆

奇蹟のパテシエMちゃんが
開花した

チョコ摩訶で未亜ナッツ計器

仕事でミスをするのは
脳の構造が変なのだそうだ

長年の脳の使い方で
変なクセがついてしまって
そのクセを自覚しないまま
使い続けているらしい

タイピンングは
どちらかというと好きな作業だ

しかし

打ち間違いが多い

それに

アメリカ生まれのコンピュータは
日本語が美味くないのか
…うまくないのか

ときおり

ぎっくりするような
ビックリするような
名変換をしてくれる

今日の
魔法使いのケーキは

チョコマカデミアナッツケーキ

とウトウトして

いや

打とうとして

チョコ摩訶で未亜ナッツ計器
と天才的間違いを打ってしまった

打って変わって

ああ、やってしまった

公開したのが
0時を廻って日付が
変わってしまっていたのであった

ブログ連投記録は
一ヵ月でストップしてしまった

戦利品

王様はゴルフがお好きだ

お好きだが
いつも
調子が良いとは限らない

週末は
ゴルフ大会に出場した
これも仕事の一環

あいにく
調子が良く無かった
(さんざんだったらしい)

お楽しみ抽選会は
成績の下からだった

王様は早々と
くじ引きのボタンを押した

ぴっぴっぴっ

示された商品は

テレビだった

最新式の大型テレビジョンは
たぶん
一番高そうな商品

今朝
その戦利品は
会社の食堂に設置されていた

日曜に
王様が自ら
設置したのだ

王様は
みんなの喜ぶことが好き

そして
魔法使いが焼いてきた
バナナナッツケーキを
子どものように
頬張るのだった

本日のけーき

食堂の魔法使いは
食堂の一角で仕事をしている

料理人、ではない

食堂といっても
スタッフの休憩の場なので
料理人はいない

魔法使いの本日のケーキは
アップルケーキだった

りんごの食感を残す為に
1つは砂糖で煮たものと
1つは生のりんごを入れたそうだ

シェフと呼ぶべきか
パテシエと呼ぶべきか
というほどの美味しさであった

やっぱり
魔法使いだ

本来の仕事ぶりをあらわせば
「博士」とか
呼んだ方が適切かもしれないが

魔法使いの方が
似合っているので
魔法使いと呼ぶことにする

本日も
魔法のsweets
ごちそうさまでした

魔法使いの抹茶シフォン

食堂の魔法使いが
今日は抹茶シフォンケーキを焼いて来たらしい

甘いうわさはたちまち広まる

午前のお茶休憩に
ちょっとフライングして行ってみたが

すでに
王様と数人が
悪ガキのように
頬張っていた

少し時間をはずして
再度行った時には
あと数切れになっていた。

遅れて
AYA姫が入ってきた

「問題が解けないと食べられないよ」

魔法使いがもったいぶって言う

「私の車のナンバーは4桁の最大素数だが
 それはxの2乗+yの2乗の数式になる
 xとyを答えよ」

姫は、ホワイトボードに書きながら
しばらく考えていたが

「こんなのとけません!」とのたまひ

「クリームがとけちゃう♪」
と、おもむろに一切れつまみあげ
生クリームをたっぷり塗り始めた。

魔法使いは
ズレたメガネから
姫を上目遣いに見上げて
ふっと笑った。

彼は60歳を過ぎ
Youtubeを観て目覚めた
“Sweets男子” である。

つばめ

10連休明けの出勤
令和の波が仕事場にも

…6年ぶりの代替わり

会長=会長(そのまま)
専務↑社長(昇格)
部長↑専務(昇格)
社長↓相談役(降格?)

新役職での令和元年度のスタート。

ところで
仕事場には他に
私が密かに“王様”
と名付けた人物がいる

“王様”はちょっとコワイ

会長と対等にモノを言い
社長に説教をし
相談役を軽くあしらう
(専務とはゴルフの友らしい)

“王様”に
「仕事場で総選挙があったら一票入れる」
と言ったら

『即、辞退する』と秒でアウトだった。

今日、定時で帰ろうとしたら
ツバメとすれ違った。

ん…この季節よく入ってくるなぁ
と思いつつ、トイレに入った。

トイレから出ると

“王様”が箒を持って歩いて来た。

『ちょっと、ドアを開けて…』

“王様”の前に
ツバメが飛んでいる

「あらららら」っと
出口のドアを開けると

ツバメは勢い良く外へ飛んで行った。

振り返ると
“王様”は箒を持って
専務と一言二言、言葉を交わして
仕事場へ戻っていく。

“王様”は決して威張っているのではない

威厳があるだけなのだ

コワそうに見えるが
(実際コワイが)

笑うと
いわゆる少年のような笑顔
というやつである。

(ちょっとズルイぞ)

人にはキビしいが
生き物には優しいのだろう

ツバメは、たぶん氣づいたと思う。

追伸
ツバメの写真を撮り損ねたので
先日乗った“つばめ”でごまかすことにした