お陰様で三十五年目

会社帰りに
馴染みの和菓子屋さんへ寄った

遅い時間だったが
幸運にも
葛まんじゅうが
2つ残っていた

季節の上生菓子
麩まんじゅう
栗ぜんざい羹
などなど
甘い誘惑の坩堝だ

欲望を抑えつつ
お供え菓子いくつか買ったところ

梶芽衣子似のおかみが

「6月が開店記念日で
 お赤飯を配っているんですよ」

と言って
1000円ちょっとしか買っていないのに
赤飯をおまけにつけてくれた

帰宅して早速開けてみると

「お陰様で三十五年目」
のしがかかっていた
ご主人の手書きであろう

南天の葉は
もちろん本物だ

そして
赤飯のお味は
さすがの美味しさであった

三十五年…

ふと
私も社会人というものになって
三十五年目
ということに氣づいた

お陰様で…

いったい誰に向かって言うのだろうか

両親や家族
お世話になった短大の先生方
仕事を教えてくれた社長や先輩方
苦楽を共にした仲間たち…

忘れてはならないのは

クレームつけたり
ダメだし続けたり
締め切り間際に変更言って
私を鍛えてくれた
愛すべきお客様なのだろう

新しいsource

茹でたブロッコリは
「からし酢みそ」で
食べるのが好きだ

今日は
この前テレビドラマで
ちらっと観た

梅干しを叩いたのに
わさびを入れた
マヨネーズで
ブロッコリを食べる
というのをやってみた

梅・わさ・マヨの割合は
覚えてなく適当に作ったが
梅酸っぱいマヨネーズに
わさびがピリッときいて
美味しかった

残ったので
焼きシャケにもつけてみた

あれ、
胡麻いれるんだったけ?

ちょっと
お醤油を落としても
美味しいかも

はは弁

未だに
はは飯を食べている

私の夕食は
高校生男子並みの
おかず量の時がある

夕食の残りを
弁当に詰めるようになったからだ

遠い昔の
幼稚園児だったころ
幼稚園の給食が
パンと牛乳だった

母は
それでは栄養不足になると
弁当を持たせた

私だけが
弁当を食べていた
らしい

友達から
うらやましかった
と後から聞いたが

どんな弁当だったか
あまり記憶にない

たぶん
その頃から
夕べのおかずが
弁当に入っていたのだろう

そして
その頃から
未だに

私は母の愛を食べている

プロフィール

profileは
和訳すると横顔だが
人物紹介
としても使われる

なぜ
人物紹介が
横顔なのだろう

横顔は
ウソをつけない
ような氣がする

横顔は
鏡で観ることができない

横顔は
意識して
作ることができない

そうか
profileとは

自己紹介ではなく

客観的に観た
「人物紹介」なのだろう

駅長さん

「駅長さん」

と呼ばれている男子がいた

正確には

ある女の子だけが
「駅長さん」と呼んでいた

なぜか聞いてみたところ
ある先生が、
その男子は駅長さんみたいだ
と言ったらしい

何が駅長さんみたいなのか

言葉では説明出来ないが

確かに
その男子には
「駅長さん」の風貌があった

中学2年生にして
「駅長さん」の風貌というのも変だが

私はその女の子が
「駅長さん」と呼ぶのを
ちょっとうらやましく思っていたのだろう

私が仕事場の仲間を勝手に

「王様」とか
「食堂の魔法使い」とか
呼ぶのは

あのころ
言えなかった想いを
言葉にしたいのかもしれないね

「駅長さん」

みずのちから

月に一度ちょっと
仕事をサボって
からだのメンテナンスに行く

予約の時間まで
近くの商業施設で過ごす

この商業施設が
水辺に近いこともあり
運河を思わせる建築群が
魅力的な場所だ

2時の時報と共に
音楽と水のコラボが
中庭で繰り広げられた

音楽に合わせ
躍動する水

水の演技に
なぜ人は魅かれるのだろうか

なんとなく
自分の中の水も
同調して
躍動しているような
そんな氣になってくるからかもしれない

私もなんとなく
ウサが晴れたような氣がした

なつめ

食堂の魔法使いが
ひと月ばかり遠出する

おるすのあいだ

なつめ

はぎ

の2鉢を預かることになった

どちらかというと
私は
植物を育てることが
苦手だ

はっきり言うと

枯らし名人の域だ

魔法使いの家には
魔法使いの家らしく

猫が数匹住んでいる

…猫は論外だが
植物なら
なんとかなる
と思われたのか

「朝、水を一杯遣るだけだから」
と魔法使いは
簡単に私に2鉢預けたが

朝の、その一杯の時間すら
取れるかどうか…
私の朝はあわただしいのに

まあ
今朝はなんとか
無事水遣りをしてから
出掛けた

なつめは
小さい花を
いくつかつけていた

昨年は
一つか二つか
実をつけたそうだ

帰宅すると
薄暗い玄関先に
なつめとはぎが待っている

「ただいま」
と声を掛ける私がいた

ひと月のあいだ
よろしくお願いします、ね。

追伸

ブログの日付を
過去にする魔法を
エンジェルに教えてもらった

この世には
私の知らない
優しい魔法があふれている

五月雨

午後から
雨になった

昨日は
五月にして
三十度越えだった

今日は
ちょっとクールダウン

雨が降るときは
ちょっと
不機嫌になることがある

いわゆる
低気圧の頭痛持ち

午前中に
仕事上で
ちょっと…かなり
怒りを覚えた

昼休みに車で
ひと寝入りすると
まあ、つまらないことかな
とも思えた

今日は
魔法使いが休んでいた
グチる相手がいないと
食堂は
つまらない

雨の日と月曜日

つまらないことが重なり
私の仕事は詰まり氣味になった

真夜中のプリン

いざ寝ようと思って

もう歯も磨いたし

何と言っても

夜遅いし

ダメな理由の方が多いのに

なぜ
真夜中にプリンが食べたくなるのだろう

今日は
自分に優しくしたいので
プリン
いただきます

まあ

たいてい
自分には優しくしているつもりです

先日からの
背中痛の相談をしたところ

「それはたぶん
かんじんいにむりしてます」
と言われました

自分には優しくしているつもりでしたが
どうも
無理が続いていたみたいで

運転中に
寝落ちして
センターラインのポールを
蹴散らして目が覚めたりしたことも…

「それ、そーとーあぶないです」

たしかに

あまり無理をしたつもりがないのが
重症化した原因かもしれないと

プリンを食べながら思いました

余談

実は
昨日のBBQで
前歯が欠けてしまった

焼きトウモロコシに
思いっきりかじりついた時

ジャリっと
小さく硬い物が…
小石でも混じったのかな
と氣にしてなかったが

トイレで鏡を見たら

あら、前歯が…

以前に治療した
詰め物が外れてしまったようだ

つい先週治療が終わったばかりの歯医者へ
電話したら
今日治療出来るということだった

ただし
副院長先生の担当日と言われた

まあ
院長先生に義理立てするより
欠けた前歯を治すのが優先

患者さんは意外に少なかった

2階にある治療室の
2番の治療台に座って待った

明るい…

いままでは会社帰りで
外は真っ暗だったが
今日は
明るい陽射しで爽やかだ

少し若い男の人の声がした
話し方が
院長先生そっくりだ

「よろしくお願いします」
副院長先生があいさつしてきた

赤紫の治療着がおしゃれな
“雪次郎くん”似の
イケメン先生だった

治療も手早く終わった

歯科医院の近くの
お茶屋さんで新茶を買った

歯の治療の帰りというと

店員さんの子どもさんが
お世話になっているということだった

「先生がお年なのが心配…」
といわれたので

「副院長先生がいらして
 たぶん息子さんですよ」

というと

「まあ、それは跡継ぎがいらして良かったわ」

とにっこり微笑んだ

ご近所からも愛されている
歯科医院のようである

追伸
余談であるが
文中出て来た“雪次郎くん”は
今放送中の朝ドラに出てくる
ヒロインの同郷の友
雪月の“雪次郎くん”である