目をとめる

停めていた車に
蝶が止まっているのに
目を留めた

日本語は難しい

「とめる」「とまる」
の漢字はさまざまだ

「止める」と「留める」
の違いも微妙だ

調べてみると

「常用漢字表」の音訓欄では、
「停」「駐」には
「とまる・とめる」という訓が
掲げられていないので、
常用漢字表に従って忠実に表記するなら、
「止める」「留める」か
仮名で「とめる」と書くらしい

日本語は難しい
いや
漢字表記が難しい
常用漢字表で
さらにややこしくなっている

迷ったら…

日本語には
ひらがなという
すばらしい表記がある

カンナちゃん

この季節
近所にカンナの花が咲く

幼い頃
リカちゃん人形ではなく
カンナちゃんという人形を持っていた
ちなみにカンナちゃんの妹
すみれちゃん人形も持っていた

カンナは
派手目な花だ

それゆえか
花言葉は
「情熱」「快活」など

西洋での花言葉になると
「paranoia(妄想)」
「suspicion(疑い)」
とある

さて
「仏陀とカンナの伝説」という
話を見つけた

「ブッタとカンナの伝説」
ある日、ブッダ(仏陀)の強い霊力を妬んだ悪魔が
ブッタを待ちぶせし、
彼をめがけて大岩を投げ落とした。
大岩はブッタの体に当たらずに足もとで粉々になるが、
一片だけが足の指に当たった。
その傷から流れたブッタの血は大地に染み込み、
そこから赤いカンナが咲いたという。
悪魔は大地の怒りに触れて、
血の裂け目に飲み込まれてしまったそうだ。

“妬みは、身を滅ぼす”

赤いカンナを見たら
心しておこう

中味はわからない

仕事場には朝礼がある

ラジオ体操をして
順番でコメントを言うことになっている

プライベートなことでも
仕事のことでも
テーマは自由だ

今朝はその朝礼当番が回ってきた

昨日のブログの内容を
しゃべることにした

お陰様で…と言えるのは
無理難題を言って来たクライアント…
と言いかけて

無理難題をふっかけるのは
クライアントより
仕事を受け流す営業さんだな

と心に浮かび

ああ、でも本人たちを目の前にして
それを言っちゃあ、おしまいだ

ってことで
思い出した怒りを収めつつ

にっこり笑って
無理難題のお陰様で
成長することができました
と無難に話をしめた

さて午後のこと、
それも就業終了の一時間前に
まるで「おかげさま」の現実化のごとく
無理難題を言ってくるクライアントがあった

しかも担当営業がいない

製作担当は隣の席のフラワーさんだ

一人で今日中は無理だろうと
二人で手分けして作業をすすめることにした

フラワーさんがつぶやいた

「今日の朝礼のお話みたいに
 私はクライアントさんに
 お陰様とは言えないですぅ…」

朝礼では話をキレイにまとめ過ぎた

“言えんよ、言えん、言えん。 
 今かかわっている人達には
 感情が湧いてしまうから
 お陰様って言えるのは
 10年か20年後”

表面は
そしらぬ顔をしつつ
中味には
煮えたぎる小豆を
冷たく孕む
白いたいやきのように
私たちは
仕事を続けていった

そして

私たちは

定時で帰ったのだった

お陰様で三十五年目

会社帰りに
馴染みの和菓子屋さんへ寄った

遅い時間だったが
幸運にも
葛まんじゅうが
2つ残っていた

季節の上生菓子
麩まんじゅう
栗ぜんざい羹
などなど
甘い誘惑の坩堝だ

欲望を抑えつつ
お供え菓子いくつか買ったところ

梶芽衣子似のおかみが

「6月が開店記念日で
 お赤飯を配っているんですよ」

と言って
1000円ちょっとしか買っていないのに
赤飯をおまけにつけてくれた

帰宅して早速開けてみると

「お陰様で三十五年目」
のしがかかっていた
ご主人の手書きであろう

南天の葉は
もちろん本物だ

そして
赤飯のお味は
さすがの美味しさであった

三十五年…

ふと
私も社会人というものになって
三十五年目
ということに氣づいた

お陰様で…

いったい誰に向かって言うのだろうか

両親や家族
お世話になった短大の先生方
仕事を教えてくれた社長や先輩方
苦楽を共にした仲間たち…

忘れてはならないのは

クレームつけたり
ダメだし続けたり
締め切り間際に変更言って
私を鍛えてくれた
愛すべきお客様なのだろう

新しいsource

茹でたブロッコリは
「からし酢みそ」で
食べるのが好きだ

今日は
この前テレビドラマで
ちらっと観た

梅干しを叩いたのに
わさびを入れた
マヨネーズで
ブロッコリを食べる
というのをやってみた

梅・わさ・マヨの割合は
覚えてなく適当に作ったが
梅酸っぱいマヨネーズに
わさびがピリッときいて
美味しかった

残ったので
焼きシャケにもつけてみた

あれ、
胡麻いれるんだったけ?

ちょっと
お醤油を落としても
美味しいかも

腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)

6月11日〜15日頃は
七十二候のひとつ
『腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)』
ホタルが光りだす時季だ

ホタルは別名『朽草(くちくさ)』
ともいうらしい

4月のある雨の夜。
ホタルの幼虫が
つぎつぎと水から上がってくる。
シャクトリムシのような動きで
光りながら濡れた地面を進む。

柔らかな土の窪みを見つけて
もぐり込み、
自分が動けるだけの部屋を作る。
部屋の壁は、
体から滲み出る液体で
まゆのような感じに固める
この部屋で約40日間を過ごして
サナギとなり
10日目の夜、羽化がはじまる

成虫となったホタルは
そのまま3日間ほど部屋で過ごし
土を必死にかき分けて地上に出ていく。
晴れた日が続いて土が固まると、
出られないまま土に還ることも・・・。

地上に出ると、
近くの草の上でしばし休み
そして
光りながら仲間のいる水辺の方へ
飛び立っていく。

暗い静かな夜に、
土の中からあらわれて光りだす虫。
昔の人は草の化身だと思ったのだろうか。

<参考>
『ホタルの不思議』大場信義(どうぶつ社)
『ホタル 光のひみつ』栗林慧(あかね書房)

追伸

梅雨入り前にして
雨が少ないこの頃
地中のホタルを想い
雨を祈る