中味はわからない

仕事場には朝礼がある

ラジオ体操をして
順番でコメントを言うことになっている

プライベートなことでも
仕事のことでも
テーマは自由だ

今朝はその朝礼当番が回ってきた

昨日のブログの内容を
しゃべることにした

お陰様で…と言えるのは
無理難題を言って来たクライアント…
と言いかけて

無理難題をふっかけるのは
クライアントより
仕事を受け流す営業さんだな

と心に浮かび

ああ、でも本人たちを目の前にして
それを言っちゃあ、おしまいだ

ってことで
思い出した怒りを収めつつ

にっこり笑って
無理難題のお陰様で
成長することができました
と無難に話をしめた

さて午後のこと、
それも就業終了の一時間前に
まるで「おかげさま」の現実化のごとく
無理難題を言ってくるクライアントがあった

しかも担当営業がいない

製作担当は隣の席のフラワーさんだ

一人で今日中は無理だろうと
二人で手分けして作業をすすめることにした

フラワーさんがつぶやいた

「今日の朝礼のお話みたいに
 私はクライアントさんに
 お陰様とは言えないですぅ…」

朝礼では話をキレイにまとめ過ぎた

“言えんよ、言えん、言えん。 
 今かかわっている人達には
 感情が湧いてしまうから
 お陰様って言えるのは
 10年か20年後”

表面は
そしらぬ顔をしつつ
中味には
煮えたぎる小豆を
冷たく孕む
白いたいやきのように
私たちは
仕事を続けていった

そして

私たちは

定時で帰ったのだった